番組情報

ベルリン・フィル最新アルバム
アジア・ツアー2017~ライブ・フロム・サントリー・ホール
<先行ハイレゾ試聴>

2018年4月18日(水) 〜

2017年11月に行われたベルリン・フィルのアジア・ツアーの音源が早くもリリースされます。11月24&25日に東京・サントリーホールで行われた公演のライヴ録音を中心に、ソウル、香港、武漢でのライヴ映像も含まれています。ソリストには、今をときめくアジアのスター、ユジャ・ワンとチョ・ソンジンが登場。
本商品は5 SACD+1 Blu-rayですが、全曲のハイレゾ音源(96kHz/24bit)をダウンロードするためのURLとパスワードが封入されています。5月20日の発売に先立って、PrimeSeatだけに特別に許可されたハイレゾ音源(96kHz/24bit)による先行試聴を順次提供していきます。どうぞお楽しみください!

このプログラムは日本限定の無料配信となります。
This program is not accessible from outside JAPAN.


現在試聴できる楽曲(PCM 96kHz/24bit)

ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調より第1楽章(抜粋) 4:12
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番より第3楽章(抜粋)
ユジャ・ワン(ピアノ)
2:55
ブラームス:交響曲第4番ホ短調より第1楽章(抜粋) 4:24
R.シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》(抜粋) 4:41

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
2017年11月24&25日
東京・サントリーホール


サー・サイモン・ラトル ©Monika Rittershaus


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ©Monika Rittershaus


ユジャ・ワン(ピアノ)©Monika Rittershaus

楽曲紹介


ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調Op.44
今日、セルゲイ・ラフマニノフの作品----とりわけアメリカ亡命時代の晩年の作品----を聴く者はみな、それらが50年早く作曲されなかったことを時折り惜しんでいるはずである。亡命後のスイス滞在期に作曲(1935~36年)された《交響曲第3番》もその例に漏れず、旧態依然とした音楽語法、当時の大衆映画が取り入れつつあった音楽語法にもとづいている。それでも私たちは、この問題にとらわれながらも、《交響曲第3番》に大いに魅了される----その燃え立つ感情表現と、じつに優れた構成に驚かされながら。実際、伝統的な後期ロマン主義時代の交響曲の書法を踏まえた《交響曲第3番》全体は、ひとつのモチーフをもとに構築されている。それはイ音(ラ)を中心音とする讃美歌風のモチーフであり、第1楽章において、クラリネット、ホルン、独奏チェロという意外な組み合わせの楽器群によって提示される。バルトークの《ピアノ協奏曲第2番》と同じく、第2楽章はアダージョ楽章とスケルツォ楽章を兼ねている。続く第3楽章で、上述のモチーフが回帰する。そしてこの終楽章の「煉獄」の場面において、モチーフは、死を暗示するグレゴリオ聖歌《ディエス・イレ(怒りの日)》の旋律に変容するのである。第1楽章は極めて自由なソナタ形式で書かれており、天国を想起させるホ長調の第2主題は、第1主題の鏡像である。ラフマニノフ自身がこの作品を指揮した際、冒頭数小節間のためらうような進行があまりに強調されたがために、ほんの一瞬、拍節感が失われた。まさにこれと同様、サー・サイモン・ラトルも、冒頭で無重力状態ともいうべき感覚を見事に生み出している。第二次世界大戦は、このような至福の境地との決定的な断絶を意味した。そしてラフマニノフは、終戦を見届けずしてこの世を去った。

バルトーク:ピアノ協奏曲第2番
鍵盤のアスレチズム
凄まじい轟音が巻き起こる《ピアノ協奏曲第2番》は、1930年から翌年にかけて書き進められた。作曲者バルトーク自身の言によれば、急進的であった第1番とは対照的に、第2番は聴衆にとって快い、"難しすぎない"作品として構想された。確かに、第1番よりも知覚しやすいモチーフは、バルトークの意図を物語っている。とはいえ彼の説明は、やや誤解を招く。なぜなら一連のモチーフは、あまりに濃密かつ急速に扱われているがために、古典的な形式の中には定着せず、結果、形式を限界まで押しやっているからである。さらにピアノは、もはや打楽器のように管弦楽の響きに溶け込むことはなく、ソロとして振る舞う。ただしその語法は、ロマン主義の情感豊かなイディオムとは一線を画している。
第1楽章の開始を告げるトランペットのファンファーレは、ストラヴィンスキーの《火の鳥》を想起させる。このファンファーレは、一種のリトルネッロの役割を与えられ、何度も回帰する。狂ったようなソロ・カデンツァでは、ピアノが3度と8度のユニゾンとともに疾走する。そして弦楽器群は、第2楽章の冒頭まで沈黙し続ける。第2楽章では、5度音程を5回積み重ねた和音群が緩やかに進行していく。最初の響きは、ヴァイオリン群とヴィオラ群によって開放弦でつむがれる。この無重力空間の真っただ中に、独奏楽器に支配された急速なスケルツォが置かれている。ソリストのヴィルトゥオジックな妙技が炸裂する終楽章は、全音階的な表現の横溢とトランペットのモチーフの再来ゆえに、第1楽章の延長のように響く。

ブラームス:交響曲第4番ホ短調
交響的記念碑

ブラームスの《交響曲第4番ホ短調》は、彼自身の創作活動と、ベートーヴェン以後のあらゆる交響曲の軌跡の極みである。ブラームスは1884年夏のシュタイヤーマルクでの休暇中に第1・2楽章を書き、翌年にスケルツォ楽章と終楽章を完成させた。友人のエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクは、第4番を「賢明な玄人たちに向けられた小さな世界」と形容した。しかしこの言葉は、ブラームスを"ロマン主義者たちに対置される理知的な保守派"とみなす根強い固定観念にもとづいている。実際のところ、第4番の力強く悲痛な音楽に、保守的な姿勢は一切みとめられない。また、第2楽章終盤でのクラリネットによる孤独なカデンツァは、この上なくロマン主義的である。ブラームスの進歩性は、"変奏"を、自身の作曲の基本精神に据えた点にある。つまり彼の音楽は、刻一刻と変化していくのだ。そして彼は第4番において、バッハの主題にもとづく厳粛なパッサカリアを終楽章とすることによって、変奏の探求を極限まで推し進めた。第2楽章は、展開部を欠いたソナタ形式で書かれているが、それは彼の音楽すべてが、展開部さながらに発展していることを暗に意味している。チェロが提示するソナタの第2主題は、単にブラームスが書いた最も美しい楽想のひとつであるだけでなく、直前の数小節間で扱われている三連符が有機的に成長した主題でもある。これと同様に第1楽章も、冒頭で示される質疑応答のような3度と6度の交替にもとづいて、発展していく。確かに交響曲第4番という「小さな世界」は、精巧に構築されている。しかしそれは、「賢明な玄人」ではない私たちに通ずる温もりや苦しみを宿す世界でもある。

R.シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》
計算された恍惚

詩人ニコラウス・レーナウはこう書いた----「空間と時間を一体にしたい/情熱とは感情の奔放な高揚」。R.シュトラウスはこれを、音楽で見事に表現してみせた。1889年、若かりしR.シュトラウスは、威勢のいい《ドン・ファン》を突として世に問うた。センセーショナルな成功を手にし、自らの作曲様式を確立した彼は、以後、数々の交響詩を手がけることになる。《ドン・ファン》のスコアの冒頭には、40年前に書かれたレーナウの詩の抜粋が掲げられている。その音楽は、陶然たるロンドによって"好色漢"ドン・ファンの遍歴をたどる。冒頭、快速のアラブレーヴェで、弦楽器群が16 分音符の上昇音型を"突進"させ、主題を奏で始める。この主題は後にリフレインとして回帰し、愛の場面をつなぐ。第1の愛の場面は独奏ヴァイオリンによって提示される。第2の愛の場面を担うのはオーボエで、その抒情的な歌は、他の木管楽器によって巧みに際立たせられる。ドン・ファンは、ドン・ペドロとの決闘の末に息絶える。彼の死は、ゲネラルパウゼ(全休止)の後に続く短いコーダにおいて、2オクターヴの下降音型によって暗示されている。この初期作品は、その節度(後のシュトラウスが片手だけで冷静に指揮をした姿が脳裏に浮かぶ)と、計算された慎ましい恍惚によって、今日もなお私たちを魅力する。


©Monika Rittershaus

アルバム発売情報


アジア・ツアー2017~ライブ・フロム・サントリー・ホール


【特設サイト】http://www.kinginternational.co.jp/bphr_asia/


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